チョウジチチタケ
ベニタケ目・ベニタケ科・カラハツタケ属
Lactarius quietus
きのこシーズンが終盤に差し掛かった頃、キノコに興味を持ち始めた私は早速地元にある「豊かな自然を活かした県内最大の都市公園」と謳う有馬富士公園へと向かった。ターザンロープの奥にある小道、数か月前まではオニタケなどが散生していたのだが、今では見る影もなし。「ここにはもうないか」と諦めていると、クマザサに囲まれたシラカシの下にポツンとキノコが単生していた。
チョウジ、つまりクローブのことであり、それに似た臭いがするので名づけられたそうだ。当時の私はまだヒヨっ子で臭いなど意識していなかったのだが、カサの模様から同一であると判断した。
各部位を観察する
カサ
- カサ表面に環紋があり、中心に向かって色が濃い。
- 縁は内巻いていて、弱い粘性を持っている。
ヒダ
- 直生で密、叉状分岐がある。
- 傷つけると白汁を出し、のちやや褐色になる。
柄
- カサと同色~暗色で、縦じわある。
- 基部の淡褐色の軟毛が密生している。