ハラタケ目・ホウライタケ科・ホウライタケ属
Marasmius sp.
初撮影は6月中旬、雨が降った後の竹林にまばらに群生し、広葉樹と思われる落枝から発生していた。カサの色が淡褐色~紫褐色と幅があるのが特徴。カサは深い溝があり、ヒダが12本程度と極めて疎・柄が針金のように細く硬いと個性的で趣があり同定がしやすい。似ている種類としてハナオチバタケやハリガネオチバタケが挙げられるが判別は容易。
スジオチバタケと同定していたのだが、原色日本新菌類図鑑の説明やイラストと見比べていくと嚙み合わない部分が複数個所見受けられる。以下に相違点を記す。
スジオチバタケの相違点
- カサの色が、、、
- 本種:表面は淡紫色で、溝は紫色をしている。
- スジオチバタケ:表面は淡黄土色、溝は紫褐色をしている。
- カサの頂点が、、、
- 本種:陥没している。
- スジオチバタケ:突出している。
- カサの形が、、、
- 本種:まんじゅう形のち殆ど平らに開く。
- スジオチバタタケ:鐘形~まんじゅう形。
- ヒダが、、、
- 本種:ヒダは13枚で上生。
- スジオチバタケ:イラストを確認すると17枚で離生。
- 柄が、、、
- 本種:赤紫色で無毛。
- スジオチバタケ:対褐橙黄色、表面が微毛で覆われている。
成長変化という線も否めないが、ここまで相違しているのなら別種と判断していいのではないか。
各部位を観察する
カサ
- 径2.7㎝、まんじゅう形のち殆ど平らに開く。
- 皮質で表面は紫白色。
- 放射状の深い溝があり、谷間は色が濃い。
- 盛り上がっている部分は色が薄く、小じわがある。
- 中央部は陥没していて、色が濃く小じわがある。
- 縁は白色に縁どられている。
ヒダ
- 上生で極めて疎(12~13枚)。ヒダ幅は0.4㎝、汚白色。
- 胞子紋は白色。
- 疎の連絡脈がある。
柄
- 全長2.7㎝×0.1㎝、繊維状で上下同径。細長い。
- 上部は白色、基部に向かうにつれて色が濃くなっていき、褐橙色~赤紫色になる。
- 繊維はねじれている。
- 中空。肉は白色。
- 基部に団子状の菌糸を纏っている。