イグチ目・イグチ科・アワタケ属(暫定)
Xerocomus sp.
アカマツや広葉樹が群生している林にポツンと単生していた。柄の半分以上が地面に埋まっており、粘土質の上に広葉樹?の根に強靭に絡みついていたので採取するのに時間を要した。
孔口が1㎜以上と大型で黄色のちオリーブ褐色、上部に縦すじを表すなどアワタケ属と似た特徴を持つ。しかし、肉厚で管孔が極端に幅狭い、青変するがかなり弱く切り潰さないと明確に現れないなど既出のアワタケと相違している点が多数見受けられるため不明種した。
なお、暫定としているのは原色図鑑で「アワタケ属の柄の幅は1cm以下」と明記されいるためである。
各部位を観察する
カサ
- 径105㎜×19㎜、中心がやや窪んでいる。
- 全体的に黄土色だが、ところどころ海老茶色である。
- 表皮が微細にひび割れているが、極めて薄いため段差を感じない。肉は白色。
- 中心が裂けて孔が開いている。
- 縁は花びら状に裂けて黄色の肉が露出している。
- 手触りはしっとり弾力がある。
管孔
- 管孔幅5㎜<肉幅15㎜、垂生状離生でやや密(孔口1~3㎜・多角形)。
- 黄色で、胞子紋はオリーブ褐色。
- 断面は離生だが管孔の末端は柄に沿って伸び垂生状、やがて縦すじを表す。
- 青緑色に変色するが、微々たるもので切り刻まないと明瞭にならない。消失性。
柄
- 柄46㎜×37~5㎜、太く短く三角形で楕円状。表面は練色系。
- 半分は地中に埋まっており根に絡みついて強靭。
- 管孔同様変色するがより淡い。
- 見た目より軽く、肉の上部は黄白色。下部は土色。
毒・におい・味など
- 味:無味だが、微かにピリ辛。