イグチ目・イグチ科・属
Boletaceae gen. sp.
9月上旬、30度を超える猛暑が続く中、広葉樹の朽木に無数に群生していた。2日前の雨の影響で孔口付近がカビているが、比較的状態がよかったので撮影した。
全体色が黄土色&こげ茶色の鱗片が菊花状に散在しているなど個性が強いイグチであるが、手持ちの図鑑には一切載っていなかった。各部位の特徴から旧オニイグチ科、中でもキクバナイグチ属に近い種ではないだろうか。
各部位を観察する
カサ
- 径4.8~7㎝、まんじゅう形のち平坦に開く。
- 頂点はこげ茶色で、側面は黄土色の鱗片が菊花状に散在している。厚め(1~3㎜)。
- 縁には膜質のツバの名残が垂れ下がっている。
管孔
- 上生状直生でやや密(孔口2㎜)。
- 最大値、管孔幅2㎜>肉幅9㎜。柄付近で深く陥没し山形、肉薄。
- 孔口は黒茶色をしているが、断面はマンダリンオレンジ。
- 孔口は変色しないが、断面は深い青緑色に変色する。
- 孔口が粉物質によって塞がれている。胞子?
- 乾燥している。
柄
- 全長60㎜×2㎜、上下同径。
- 黄土色が主体で随所にえんじ色が混じっており、下部に行くほど強まる。
- 上部は縦すじがあり、ひび割れや分厚くささくれている個体もある。頂部は、えんじ色。
- 下部は、えんじ色の細点を纏っており、基部は網目模様で黒茶系の色を帯びている。
- 強靭で中実だが虫食いで中空。柄の肉は白色。
- カサの肉はふかふかで、淡紅色を帯びている箇所がある。
- 微かに青緑色に変色する。
04毒・におい・味など
- におい:温和臭。
- 味・触感:無味。管孔が厚く硬めのスポンジ感。粉っぽい。