タマチョレイタケ目・マンネンタケ科・マンネンタケ属
Ganoderma australe
本当にサルノコシカケ系は、発生環境や経過年数によって形状がかなり異なるから分からない。今回も断面をみるまで採取した2種類のキノコ(2023年2月22日撮影)が同種だなんて思わなかった。
特に地面からむき出した根から群生している写真(上)を見て欲しい。右側の小さいものは、恐らく根の上面から発芽したため、マンネンタケのような柄を持っている。左側の大きいのは、柄とカサが一体となっている。撮影時はこの2枚しか採取しなかったので「柄も持つきのこ」と決めつけていた。が、実は中央のものは柄が有していないのだ。
以上のように、群生したキノコでも形状が異なるのだから、発生個所や発生樹木などで容姿が違うことは想像に容易い。断面の臭いも変わってくる。ページ上の中央のものは、ジャガイモを素揚げしたような臭いで、フォトギャラリー1本目のものはじゃがりこのような臭いがする。(どちらも最近食べてないので気のせいかもしれないが)
また、コフキサルノコシカケとの違いだが、管孔層がサイズ関わらず幅6~7mm程度と一定で、肉層が拡張している点が分かりやすいかもしれない。
各部位を観察する
カサ
- 表皮は茶褐色だが、成長につれ退色し灰白色~淡褐色の環紋を表す。
- 柄はあるものとないものがあり、側着生で硬くゴツゴツしている。
管孔
- 縁は鈍縁に内巻きで管孔面に対して盛り上がっている。
- 管孔で極微細(4個/㎜)で円形。
- 白色だが、本色ではなく粉末が付着しているだけ。そのため、擦ると孔口に入り込むか指に付くなどして、容易に褐色系の管孔面が現れる。(濡らして擦ると分かりやすい)
断面
- 断面は①表皮、➁肉層、➂管孔層、➃粉末層の4層に分かれる。
- 肉層には管孔層に並行して2本以上の黒い線が走っている。