イグチ目・ヌメリイグチ科・ヌメリイグチ属
Suillus luteus
チチアワタケを採取してから1週間後、アワタケが生えてないかと同じアカマツを確認するとアワタケ属が同じように発生していた。スルーしようと思ったのだが、前回よりもやや大振りで植生範囲もやたら広かったので、もしやと裏返すと柄にツバが確認できた。間違いない、ヌメリイグチだ。
ヌメリイグチ、チチアワタケと酷似した姿から分かるように同じ科属であり、それらの代表名になっている。特に食中毒の報告はなく、優秀な食菌とされているが食欲がそそられなかったので食べなかった。
ヌメリイグチとチチアワタケの判別方法
- ツバが、、、
- ヌメリイグチ:あり。亜麻色~薄茶色
- チチアワタケ:なし。
- 香りが、、、
- ヌメリイグチ:ポン酢の香り(個体差あり)
- チチアワタケ:甘い香り(〃)
- カサの肉層と管孔が、、、
- ヌメリイグチ:容易に分離できる。
- チチアワタケ:強靭で分離できない?少なくとも浸水した後は
なお、図鑑の見分け方として明記されているのはツバの有無だけであり、それ以外は私の主観であるため個体差や勘違いの可能性も否めない。
各部位を観察する
カサ
- 径5.5~12㎝、平らなまんじゅう形。
- 黒茶色~光悦茶色。成長とともに脱色して黄色味を帯びる。
- 繊維模様で強い粘性を持つ。
- 縁は始め下に垂れているが、成長とともに地面と水平になる。
管孔
- 湾生→直生で孔口幅は密(0.5~1㎜)。
- 比較的に肉幅>管孔幅で、管孔の形は内山形~両山形。
- プリムローズイエローで、胞子紋は黄褐色。
- 孔口は円~多角形で、大小まばらである。
柄
- 全長5~9.2㎝×1.3~2.3㎝、棍棒状で縦じわがある。
- 亜麻色~薄茶色で薄い膜質状の下ツバ。
- ツバから上部はやや薄茶色に濁り、下部は白色。
- 全体に茶系色の細点を纏う。上部は胞子かやや黄色を帯びる。
- 基部に白色の菌糸がある。
断面
- 中実で強靭。
- カサ肉は白色だが、成熟するほど端から黄色に変色する。
- 柄肉の基部は成熟するほど茶色を帯びる。
- 表皮と管孔、肉は容易に分離することができる。
毒・におい・味など
- 香り:個体によってポン酢の香り。
- 味・食感:無味。弾力はなく、ホコリタケに似ている。