ハラタケ目・テングタケ科・テングタケ属
Amanita ceciliae
7月上旬、近所の緑地にあるサクラの下に単生~群生していた。ツバをもたないものの暗色の膜状のイボと溝線を持ち、柄の長いテングタケとなればテングツルタケの仲間で間違いないだろう。
個体を一つずつ観察すると、柄が綿くず状鱗片~繊維状鱗片に覆われているものやだんだら模様なっているものが存在することが分かる。成長や雨風によって鱗片が剥げていくのだろうか。
多くの図鑑で写真と似たキノコをテングツルタケとしているが、個人的に怪しいと考えている。原色図鑑には「カサの表面は黄褐色~暗褐色。柄に輪っか状のツボ。」と記載されているが、被写体をみると灰色がかった褐色で、輪っか状のツボが確認できなかった(見落としたかもしれない)。東北きのこ図鑑やフィールドブックスきのこ図鑑には原色図鑑と合致したテングツルタケを掲載している。
前者を正とするならこのテングツルタケは別種ということになる。図鑑.jpを確認するとハイイロテングツルタケ(A. sp.)やテングツルタケモドキ(A. sp.)と命名されているものがある。検索してもヒットしないため真相は藪の中だ。
各部位を観察する
カサ
- 径5㎝、まんじゅう形のち中央がやや窪んで平らに開く。
- 淡灰褐色で縁に溝線、やや粘性あり。
- こげ茶色で膜状のイボ。
- 脆く、カサと柄が分離しやすい。
- 芳しい匂い。例えられないが食欲がそそる臭いだった。
ヒダ
- 離生でやや密。ヒダ幅は0.5㎝、白色。
- 胞子紋は白色。
柄
- 全長11㎝×0.5㎝~1cm、長身でやや棍棒状。表面は灰色。
- 綿くず状鱗片のちだんだら模様。
- 輪っか状の不完全なツボがあったか不明。(今後要確認)
- 中空。脆い。