イグチ目・イグチ科・アシベニイグチ属(旧ヤマドリタケ属)
Caloboletus(Boletus) quercinus
いつも通り緑地の丘を散策していると、雑木林との境目に群生~束生していた。ナガエノウラベニイグチ、一見灰色で地味な容姿をしているが”ウラベニ”の名の通り管孔面が濃いオレンジ色をしているのが特徴的である。比較するまでもなく本種と同定していいだろう。
図鑑ではヤマドリタケ属(Boletus)となっているが、2014年以降”アシベニイグチ属(Caloboletus)”が新設され移行した。
本種は日本固有種であるが、北米にCaloboletus firmusという瓜二つのイグチがあるため、将来的に編入されるかもしれない。
各部位を観察する
カサ
- 径8.5㎝、平たいまんじゅう形。中央がやや窪む。
- 丁字色~カーキで、微細な毛に覆われてしっとりしている。ビロード状。
- 鈍縁で縁が内巻いている。
管孔
- やや垂生~直生で密(0.1㎜)。管孔幅7㎜<肉幅11㎜。
- 平坦形。孔口は黄赤色、管孔断面は濁った黄白色。
- 変色性あり。濃い緑みの青に変色する。
- 胞子紋はオリーブ色。
柄
- 全長11.5㎝×2.5㎝、長身で太く上下同径。
- 平滑でやや縦じわが浮いている。
- 最上部は黄色、上部から下部にかけてオーロラ状に赤みを帯びる。
- 基部はカサと同色~濃いめ。
- 中実で強靭。クリームイエロー。
- カサの肉はやや青色を帯びるが、柄の肉は変色しない。
毒・におい・味など
- におい:やや酸味のあるキノコ臭。
- 味:ぼそぼそ。シイタケに似た味。